新型コロナウイルス感染症(通称COVID-19)が世界中で拡大しています。口や鼻などの上気道の粘膜から感染しますが、目の粘膜である結膜からも感染の可能性が指摘されています。
いまだ不明な点が多い新型コロナウイルス感染症ですが、現在日本眼科学会などで告知されている事項、海外の論文などをまとめました。
中国での研究報告によるとコロナウイルス感染症が判明し入院した患者さんの0.8%~およそ3%に結膜炎症状が現れたとされています。
充血、分泌物の増加、結膜浮腫、流涙などが報告されています。
一般的な結膜炎の症状と変わりないようです。ただ入院された方のデータなので、目以外の症状(発熱、呼吸器症状)を既に発症しています。
咳やくしゃみなどの飛沫感染、ウイルスがついたドアノブやパソコンのキーボードを触った手で目をこすったり触ったりすることによる接触感染があります。
コロナウイルス感染症の診療現場などではエアロゾル感染の可能性も指摘されています。
新型コロナウイルス感染症の基本的な対策は手洗い(石鹸による十分な手洗い)、アルコール等で消毒することです。洗っていない手で目を触らないようこころがけましょう。
コンタクトレンズをはめるときと、はずすときに直接目に触れますので、目に触れる前後に十分な手洗いを行ってください。普段どおりに、コンタクトレンズの消毒やこすり洗いもしっかりと行ってください。
心配であれば、しばらくの間、コンタクトレンズから眼鏡の装用に代えても良いでしょう。
目薬をさす前と後に、十分に手洗いを行ってください。他の人と、目薬を共有してはいけません。
日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/news/068.jsp
日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/info/covid19.html
海外論文
1)J. Xia, J. Tong, M. Liu, Y. Shen, D. Guo.
Evaluation of coronavirus in tears and conjunctival secretions of patients with SARS-CoV-2 infection
Journal of medical virology (2020)
2)Guan W, Ni Z, Hu Y.
Clinical characteristics of coronavirus disease 2019 in China.
N Engl J Med. 2020